知足

もし諸の苦悩を脱せんと欲すれば、まさに知足を観ずべし。知足の法は、即ち是れ富楽安穏のところなり。知足の人は、地上に臥すといえども、なお安楽をなす。足ることを知らぬ者は、天堂に処すといえども、また意にかなわず。足ることを知らぬ者は、富めりといえども、しかも貧し。知足の人は、貧しといえども、しかも富めり。足ることを知らぬ者は、常に五欲のために牽かれて、知足の者のために憐愍せらる。これを知足と名づく。

『遺教経』の中には「少欲知足(欲望が少なく、足ることを知る)」の教えが説かれており、上記は「知足」についての記述です。とても大切な教えだと思います。ちなみに「五欲」は、財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲をいいます。
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お彼岸の意味

もうすぐ春のお彼岸ですね。お彼岸は、春分の日(秋は秋分の日)を挟んだ前後3日間、都合一週間の期間をいいます。お彼岸は普通、お墓参りのシーズンとされています。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉にもあるように、気候的にちょうどよい時期であります。

お彼岸はお墓参りをすることの他に、「仏道修行をする期間」という意味もあります。
仏教では、大切な実践行に「六波羅蜜(ろっぱらみつ)」というものがあります。これは6種の実践行のことで、布施(ふせ)、持戒(じかい)、忍辱(にんにく)、精進(しょうじん)、禅定(ぜんじょう)、智慧(ちえ)の6つを指します。この6種類の実践行は、日々努めて行うべきものですが、なかなか実行できません。そこで、お彼岸の期間には、日頃さぼりがちな六波羅蜜を、せめてこのお彼岸期間だけでも実践しよう、という意味があるのです。

例えば、電車で席を譲るのは布施行です。悪口を言われても腹を立てないのは忍辱行です。心静かにして物事に当たるのは禅定行です。お彼岸期間中には、ぜひともこれら実践行を心がけて頂きたいと思います。
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正精進?

今年から一所懸命トレーニングに励んでいるが、なかなか体重も体脂肪率も減らない。一度ついた贅肉を落とすのは、本当に大変。それでも2ヶ月間の努力の成果で、履けなかった足袋がはけるようになったし(1/23の記事に書きました)、きつかったズボンも少し楽になった。体重も少しずつ落ちている。

仏教では、仏道へのたゆまぬ努力を「精進(しょうじん)」と言い、正しい精進は、苦しみから抜け出すための8つの実践行のうちの一つになっている。はたして、ダイエットが「正しい精進」と言えるかどうかはともかく、ズボンがきつくて腹が苦しい、ということからは抜け出している(笑)。

努力をすれば報われることを、わずかでも実感できている今日この頃である。
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愛別離苦

世に苦しみはいくつもありますが、最も苦しいのは何でしょうか? 私は、「愛する人と別れ、離れる苦しみ」だと思っています。これを「愛別離苦(あいべつりく)」と言います。

愛する夫を、妻を、両親を、子供を、友人を、恋人を亡くした時の苦しみの深さは、当事者になってみないとわかりません。その悲しみは日を追うごとに増し、自分自身ではどうすることもできない無力感に打ちひしがれます。
また、恋人同士が素敵な時間を過ごした後、しばしの別れを惜しむのも、愛別離苦と言えます。大切にしていた品物を失うのも愛別離苦です。

愛別離苦から立ち直るためには、かなりの時間と、苦しみへの理解が必要です。すなわち、世の中に永遠なる絶対的な変わらないものなど、ただの一つもないという「諸行無常」の理解です。ここの本質が解らないと、苦しみからの脱却は困難になります。

愛する恋人となかなか逢えないと、とても苦しいものです。メールの返事がなかなか返ってこなくて、いらついたりもしますね。人間は一人では生きられない、さりとて相手のことで気をもんで苦しんで…。人間はわがままな生き物です。その「わがまま」を少し押さえることが、苦しみから抜け出す第一歩です。
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