畜生かまきり

数日前から大きなかまきりが、境内をうろついています。今日などは、あまりにも目立つところにいるものだから、
「こいつ、こんなところにいて大丈夫かいな?」
と思ったりします。「そんなところにエサはないだろう」とか「鳥に見つかって食われちまうぞ」とか、余計なお節介なのでしょうが、ま、数日元気で生きているのですから、問題はないのでしょう。
ところで、かまきりは、私のことをどう思っているのだろうか??
S.スピルバーグ監督の『宇宙戦争』という映画で、宇宙人がトライポッドに乗って、逃げる人間どもを捕まえてましたが、かまきりからすると、私はトライポッドにあたるのでしょうか…。もしも今、巨大な宇宙人が襲ってきたら、、、なんて考えると怖いですよ、ホントに。
「死」という現象を、明確に理解している生物は「人間だけ」と言われているそうです。つまり、未来に対する予測のうち、自分は必ず死ぬのだ、という絶望的な未来の到来を理解しているのは「ヒト」だけなのだとか。ヒトの学名は「ホモ・サピエンス」。これは「知恵のあるヒト」という意味らしいですが、知恵あるがために諸行無常を悟り、絶望も起こるのです。
かまきりのことを、我々「知恵あるヒト」は、「畜生(ちくしょう)」というカテゴリーに入れております。畜生のことを「苦しみ多く、楽しみ少なく、本能のままに生き、自制心のない生き物」というような定義をしておりますが、「知恵あるヒト」にだって、自分勝手な生き物の、なんと多いことか!
食べものを無駄にする、弱いものをいじめる、見栄を張る、華美に飾り立てるなど、畜生がやらないことを、知恵ある人間は、やっているんですから、困ったものです。私たちには、未来を予測できる知恵があるのですから、明るい未来になるために、この大いなる知恵を働かせたいものです。
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