白隠禅師坐禅和讃 #10

(原文10)
無念の念を念として。謡うも舞うも法の声。三昧無礙の空ひろく。四智円明の月さえん。

(むねんのねんをねんとして。うたうもまうものりのこえ。ざんまいむげのそらひろく。しちえんみょうのつきさえん。)



(意訳10)
2つめは、「心で感じたこと、一念一念を悪く考えないようにする」ということです。私たちの脳は、絶えず思考をしています。一瞬ごとの思考、すなわち一念の積み重ねによって、記憶・学習をしています。しかし、もしも悪い念が積み重なったとしたら、そうして造られた記憶・学習は、悪い結果を招くことは明らかです。そう考えると、たとえ僅か一念でも、苦しみの原因になり、積もった念、すなわち、出来上がった記憶は、苦しみの結果となるわけです。一念に振り回されないことです。少なくとも、自分の記憶と、他人の記憶は、全く異なるものであり、他人が自分と同じ事を考え、行動するなどとは考えないことです。そのように毎日努めるならば、他人の言動に一喜一憂することなく、仮に苦言を聞いたとしても、大切なアドバイスだったと、肯定できるはずです。見るもの、聞くもの、全てが新鮮な法話であり、立ち居振る舞い、どれをとっても、仏祖の行いと変わらないのです。
このようにして養った禅定力を用いて、精神を統一してみましょう。身体中の感覚(眼で見る・耳で聴く・鼻で嗅ぐ・舌で味わう・皮膚で感じる・心で認識する)はそのままに、心を集注して、意識を乱れないようにするのです。それは一切のとらわれを離れた、自由自在の境地です。雲一つ無い青空が広がっているかのように、煩悩の無い、晴れやかな心になっているでしょう。 さらに、仏心から出てくる4つの智慧を信じることです。それは、【1】真実を見つめて、清い心を持つ(大円鏡智(だいえんきょうち))、【2】我見(がけん)・差別を捨てて、慈悲の心を持つ(平等性智(びょうどうしょうち))、【3】道徳行を無心でする(成所作智(じょうしょさち))、【4】物事を正しく判断して、不安を取り除く努力をする(妙観察智(みょうかんさっち))、これら4つの行いを、自分・他者の区別無く、行おうとすることです。この4つの智慧は、迷いの暗闇を明るくする光です。4つの智慧が相結ぶ時、あたかも中秋の名月のように、智慧の光は冴えわたり、たとえどんな困難に遭っても、真実の道を明るく照らし現してくれることでしょう。

since 2005/1/27 - last modified 2014/4/19


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