無相大師遺誡 #5

(原文5)
老僧爰に花園仙帝の敕請を受けて、此の山を創開するも、先師飯を嚼んで嬰児を養う。後昆直饒老僧を忘却するの日ありとも、應燈二祖の深恩を忘却せば、老僧が児孫にあらず。

(ろうそうここにかえんせんていのちょくしょうをうけて、このやまをそうかいするも、せんしはんをかんでようにをやしなう。こうこんたといろうそうをぼうきゃくするのひありとも、おうとうにそのじんのんをぼうきゃくせば、ろうそうがじそんにあらず。)



(意訳5)
私(無相大師・関山慧玄禅師)は、花園上皇の勅命を頂戴し、この正法山妙心寺を開創したが、これは先代の師匠・大燈国師が、まるで幼い子供に対して、ご飯を噛んで柔らかくしてから与えるように、われわれ修行者を誠心誠意鍛え育て上げてくれたからこそ、今この縁が結ばれているのである。
これから先、遠い後世になり、我が法系(師匠と弟子のつながり・仏法の系譜)が栄えて弟子が増えたとして、いつかは私のことが忘れ去られる時代が来るであろう。
しかし、大應・大燈両国師の深い恩愛は決して忘れてはならない。もしも両祖師への報恩感謝を忘れたとしたら、その弟子どもは私の法孫(系譜に連なる僧)ではない。「関山慧玄の法系につながる者だ」と言ってはならないし、それを私が決して許さない。

since 2005/3/17 - last modified 2013/8/29



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ジャンル : 学問・文化・芸術

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