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落ち葉

「煩悩」という塵(ちり)は、私たちの心にたくさん積もっている。心はざわめき動き、まもりがたく調えがたし。

何本もの大樹が、拙寺の庭へ、墓地へ、茶色に変じたその葉を落としてくる。今掃いたところへ落ちてくる。きれいにしても数分後には、掃く前とほとんど変わらない状態になる。

「人間それは、自然と、人と、物との間柄によってのみ、生かされあるもの、感謝すべし。」

誰が言ったか、この言葉。解ってはいるが、落ち葉の恨めしさよ。

むかしチュ-ラパンダカは、愚鈍ゆえに仏道修行が進まず、自己研鑽の努力を止めようと思った。しかし釈尊から、
「塵を払わん、垢を除かん。」
(ちりをはらわん、あかをのぞかん)
という言葉を、四六時中、一心に唱えなさい、と言われ、言われるまま、何をする時でも「塵を払わん、垢を除かん。」と唱え続けた。そしてある時、チューラパンダカは疑念を抱いた。

「塵とは何か? 垢とは何か?」

その答えは自分自身にある。欲や煩悩という塵や垢が、私たちの心に積もっていることを自覚すれば、悟りはもう遠くない。

掃けば散り 払えばまたも ちり積もる 庭の落ち葉も 人の心も。

散って積もるは、庭の落ち葉。
塵と積もるは、欲煩悩。

解っちゃいるが、イヤになっちゃう、この時期は。
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