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名盤に出会う

私が高校生だったころは、音楽情報の入手元はテレビかラジオでした。テレビは日本の歌謡曲中心でした。洋楽と出会おうとするには、FMラジオを聴くのが王道でした。その頃は「FM STATION」とか「FMレコパル」なんていう雑誌があり、掲載されている番組表を隅から隅までながめて、自分の「好きそうな」音楽が「かかりそうな」番組をチェックしたものです。そうして気に入った曲があれば、ラジカセにカセットテープを入れてスタンバイし、タイミングを測って録音をするのです。Billy Joel の「The Stranger」という曲があります。ピアノの旋律から入り、続いて口笛が入ります。そしてメインの印象的なギターのフレーズがきて、ビリーの歌が始まります。そして最後はギターのフレーズがフェードアウトします。タイミングを測ってラジカセの録音ボタンをポーズ。よし、バッチリ録音できたぞ、と思ったら、なんとその後に最初と同じ口笛が入ってきて「うわぁっ、失敗した!」なんて経験があります。

レコードの「ジャケ買い」なんていうのもしましたね。高校生にとってはレコード自体高価でしたから、輸入盤(新品なのになぜか傷だらけ)とか、セコハン(死語ですかね?)を買ったものです。

友人とレコードをシェアしたりしました。それぞれがお気に入りのレコードを買って、お互いに聴き比べて「これはいいね」「これはハズレだな」みたいな話もしました。とにかく音楽を探すのに貪欲だったと思います。そうして出会った名盤は、人生にとってかけがえの無いものだと言えるでしょう。

今はインターネットが普及しておりますから、その頃とは比べ物にならない量の音楽を、ほとんど労力を使わずに聴くことができます。Shazam という iOS アプリを使えば、その場で流れている曲を Shazam に聴かせるだけで、その曲名とアーティストを教えてくれます。USEN というアプリは、有線放送のチャンネルで今かけている曲と、前にかけた曲、これからかける曲を教えてくれるアプリです。カフェやレストランで有線放送が流れている時、放送しているチャンネルさえ解れば、今流れている曲名を知ることができます。iTunes Store では無料で試聴ができますし、自分の好きな曲をきっかけにして、似たような好みの傾向の曲を紹介してくれたりしますので、自分の欲する音楽に出会う確率がどんどんと上がっています。便利な時代になりました。

しかしながら、出会いが簡単になると、注がれる情熱が弱くなるのでしょうか、高校生の頃には1枚のレコードを大切にしたものですが、今ではせっかく買ったCDを1回聴いたらそれっきり、なんていうことが増えてきました。

長々と書いてしまいましたが、ここからが今日の本題です。

「年間ベストアルバム2013」というブログを見ていました。第1位から順番にチェックして iTunes Store で試聴を繰り返していきます。自分の好みもあれば、まったく好きになれないアルバムも当然あります。そんな中で、1枚のアルバムに出会いました。

Oneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー) というアーティストの「R Plus Seven」というアルバムです。

私にとってこれは、2〜3年に1度出会うかどうか、というほどの心打たれたアルバムでした。

ジャンルとしては「アンビエント」、「環境音楽」という部類に入ります。私はこのアルバムを試聴した時、今これを手に入れなければ、一生後悔するのではないか、と思いまして、すぐに Amazon でCDを購入しました。今どきは音楽配信サービスからのダウンロード購入が主で、わざわざパッケージメディアを買う人は減ってきています。いつでもネットからダウンロード購入できるじゃないか、と思われるでしょうが、そこは配信メディアとCDとの「所有欲」の差があります。私はこのアルバムを「CDメディアとして所有する」という選択をしました。

もし興味があれば、iTunes Store で試聴ができますから聴いてみてください。このアルバムを「音楽」と言っていいのか、と思う人や、頭のなかが「???」でいっぱいになる人が多いかもしれません。
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