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道林和尚と白居易

むかし中国は唐の時代、道林(どうりん)という禅僧がいました。この和尚、松の木の上で坐禅をしていることで有名でした。

ある日、杭州の役人である白居易(はくきょい)という人が、道林和尚に会いに行きました。白居易は木の上に座っている道林和尚を見つけて、声をかけました。

「和尚さん、そんなところで坐禅をしていては危ないですよ」

すると道林和尚、

「いや、貴公の方がよっぽど危ないぞ」

と返しました。白居易は答えます。

「私は役人として、この地を安全に治めています。なぜ私が危ないと言われるか?」

道林和尚すかさず、

「私が危ないと言ったのは、あなたの心の中が煩悩の炎で燃え盛っていることを、危ないと言ったのだ」

そこで白居易は、和尚に訊ねました。

「願わくは和尚、私に仏法の真髄をご教示ください」

道林和尚、白居易の問いに答えていわく、

「諸悪莫作、衆善奉行(しょあくまくさ、しゅうぜんぶぎょう)、
『悪いことをするな、善いことをせよ』だ」

白居易は怒りました。

「そんなことは3歳の子供でも知っている。私は真剣に仏法の質問をしているのです」

白居易のその言葉に対して、道林和尚はこう答えました。

「3歳の子供でも知っているが、80歳の年寄りでも実際に行うことは難しいぞ」

その言葉を聞いた白居易は、和尚に礼拝して去りました。

道林和尚と白居易のエピソードです。

ちなみに一休禅師が書かれた「諸悪莫作衆善奉行」の掛け軸が、出光美術館に所蔵されています。



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