御府内寺社備考

江戸幕府は、江戸市中の地誌『新編御府内風土記』を編纂するための準備調査史料として、文政12年(1829)『御府内備考(ごふないびこう)』という地誌をまとめ上げた。開始から完成まで3年間を要している。
この『御府内備考』には、『正編』と『続編』がある。前者は町の記録であり、後者は寺社の記録である。
江戸時代初期に開創された、市内の多くの寺にとっては、江戸中期までの寺の歴史が書かれた『御府内備考続編』(通称として『御府内寺社備考(ごふないじしゃびこう)』と呼ばれる)は、実に価値ある史料なのだ。
ちょうど2年前から、『御府内寺社備考』に載っている、智光院の記述ページについて、読み下しと現代語訳に挑戦していたが、ようやく完成間近となった。この作業に使った資料は、台東区教育委員会が発行した調査報告書(とても良い本です)と、写本(国立国会図書館所蔵)のコピー。つまり、原本は見ていないのだ。総仕上げとして、原本の確認は避けて通れない。
というわけで、明日は原本を所蔵している東京都公文書館に行ってきま~す(予定)。
ちなみに、東京都台東区教育委員会発行の『御府内寺社備考』シリーズは、一般販売されているようです。「台東区文化財調査報告書シリーズ」に含まれています。
- 関連記事
-
- 卍 (2006/11/02)
- 東京都公文書館 (2006/11/01)
- 御府内寺社備考 (2006/10/31)
- 大円鏡智 (2006/10/30)
- 1983年のドリフターズ (2006/10/29)