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いま、ここ(第1話)

仏教におけるテーマに、「いま、ここ」という言葉がある。つまり、過去の事柄にくよくよするのではなく、何が起こるかわからぬ未来を夢見るのでなく、今現在の自分自身を、地に足つけて精一杯生きよ、ということである。

でも、これは本当に難しい。

仕事で失敗すれば、へこんで気分が落ち込むのが普通だ。明日のプレゼンは上手くできるかなぁ、などと不安になるのが普通だ。「いま、ここ」が大事なのは十分わかっていますよ、そんなこと。でもさぁ、あれこれ考え込まなくてもいられるほど、図太い神経も持っていないし、はたまた、思慮の足りないお気楽な性格でもないのですよ、私は。

そうなのである。仏教の言葉はありがたいものが多いけど、でもさぁ、実際に行動するのは難しいんだって!


きっと、昔の人だって、同じことを考えていたんだ。だからこそ、私たちを叱咤激励してくれる、いろいろな言葉が残っているのだろう。

たとえば臨済禅師。

「随処に主と作れば、立処皆な真なり。」(ずいしょにしゅとなれば、りっしょみなしんなり。)

『臨済録』の中のこの言葉は、私たちを鞭撻して止まない、慈愛の言葉だ。
煩悩だってお悟りだって、みんな自分自身の中にあるのだから、外に向かって答えを求めるのは大間違いだ。真実は常に自分の中にある。いつでも自主性を持って、分別を働かせよ! 欲や煩悩に振り回されるなよ。

と注意してくれている。

え〜?! こんな難しい言葉で注意してくれているんですか? さっぱりわからないよ。っていうのが、禅宗の教えなんだから困ったものである、ホントに。
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